ネクスガードスペクトラをあげてから様子がおかしいんだけども、これって薬の副作用かしら?
お薬を飲ませた後に体調がおかしくなると、不安になりますよね、、
フィラリア予防としてネクスガードスペクトラを使っているけども、
- ネクスガードスペクトラを飲ませてからなんだか体調がおかしい、、、
- 気をつけるべき副作用は何があるのか気になる
- 副作用が起きてしまった場合は別のお薬に変えたほうがいいのかな?
ネクスガードスペクトラを使うときの不安
そんな飼い主様向けに、現役の救急獣医師がそれぞれの不安に対してわかりやすく解説いたします!
最後まで読むと、安心安全にネクスガードスペクトラを使えるようになります!
結論として、ネクスガードスペクトラの副作用としては以下のものがられています。
ネクスガードスペクトラの副作用
- おう吐、下痢、食欲不振
- 元気の消失
- 皮膚のかゆみ
- 神経症状
症状:けいれん、運動失調、ふるえ
フィラリアにすでに感染していた犬に投与した場合
- アナフィラキシーショック、元気消失、呼吸促迫、血尿、咳
この記事ではこれらについて詳しく説明をしていきます。
ネクスガードスペクトラを飲ませている犬さんの飼い主様はぜひ最後まで読んでみてください。
それでは本題に入ります!
ネクスガードスペクトラの副作用
ネクスガードスペクトラは動物用医薬品として農林水産省に認可された、安全性の確認されているお薬です。
ですので、ほとんどの犬さんに対しては安全に使うことができます。
一方で、一部の犬さんでは副作用が報告されていますので、その副作用について順番に説明していきます。
食欲不振、おう吐、下痢、かゆみ、元気消失
投与してすぐに、次の症状が現れることがあります。
- 食欲不振
- おう吐
- 下痢
- 皮膚のかゆみ
- 元気の消失
これらの症状は、ほとんどの場合は自然に収まっていきます。
ネクスガードスペクトラの添付文書にも次のように記載されています。
嘔吐、皮膚のかゆみ、下痢、元気消失及び食欲不振が、ごく稀に認められることがある。ほとんどの場合、これらの症状は一過性で治療を行うことなく回復する。
ネクスガード スペクトラ 添付文書
ですので、状態が安定しているならばそのまま様子見でもOKです。
ただし、アナフィラキシーショックや神経症状などの重い症状の前兆が出ている可能性もあります。
どんどん体調が悪化してくるようならばすぐに動物病院に相談しましょう。
また、薬を飲んでから2時間以内に嘔吐をして、ネクスガードスペクトラの塊がそのまま出てきた場合、
その場合は薬の吸収ができていないと考えられるのでもう一度投与する必要があります。
神経症状(けいれん、運動失調、ふるえ)
ネクスガードスペクトラでは、稀にてんかん発作、痙攣、ふらつきやふるえなどの症状が出ることもあります。
これらの症状が現れたらすぐに動物病院に相談をしましょう。
特に
- コリー
- シェットランドシープドッグ (シェルティー)
- オーストラリアンシェパード
- オールドイングリッシュシープドッグ
といったコリー系の犬種では遺伝的に神経症状が現れやすいと言われていますので、使用後はしっかりと様子を見ることが必要です。
また、てんかん発作の持病を持っている場合も、発作などの神経症状が誘発される可能性があるので、使用後には注意が必要です。
アナフィラキシーショック(元気消失、呼吸促迫)血尿、咳など
ネクスガードスペクトラはフィラリアの予防薬であり、「フィラリアに感染していないとき」に使うお薬です。
処方する前には動物病院で必ず
「今フィラリアが体の中で増えていないこと」
を確かめる必要があります。
もし、フィラリアに既に感染している犬さんに投薬してしまった場合、体内のフィラリアが一度に死んでしまうことにより、
次に示す重い症状が現れることがあります。
- 急激な元気消失、起立不能 (アナフィラキシーショック)
- 呼吸促迫
- 血尿
- 重い咳
これらの症状が現れた場合はすぐに動物病院での対処が必要になります。
場合によっては緊急手術が必要になったり、命に影響が及ぶこともあります。
副作用が起きたときの対処法
それでは、実際に副作用と思われる症状が起きた場合はどのようにすればいいのでしょうか。
症状が軽い場合と重い場合でそれぞれ対応が変わってきます。
判断が難しければ動物病院に相談しましょう。
軽い症状の場合は様子見でOK
飲んでから少しいつもより元気がない、下痢が起きている、などの症状であれば様子見をしても大丈夫な場合がほとんどです。
そのまま自然に回復していく事が多いでしょう。
ただし、2日以上立っても治らない、だんだん症状が重くなってくる場合は動物病院を受診しましょう。
立ち上がれない、けいれんをしている場合はすぐに病院へ!
立ち上がれなくてぐったりしている、けいれんやふらつきなどの神経症状が出ている、などの重い症状が見られた場合はすぐに近くの動物病院を受診しましょう。
神経症状やアナフィラキシーショックなどの症状はすぐに対処しないと命に関わる危険性があります。
これらの場合は様子見は絶対NG!すぐに動物病院に駆け込みましょう。
副作用が起きたときは薬を変更すべき?
副作用が起きてしまった場合は、次回以降お薬を継続すべきかかかりつけの病院に相談してみましょう。
ネクスガードスペクトラが合わない場合は他の種類のフィラリア予防薬に変更することも可能です。
合わなかったからといって自己判断でストップするのは止めましょう。
副作用が怖いので、フィラリア予防はしなくてもいい?
ここまで副作用について話してきましたが、副作用のリスクが有るならネクスガードスペクトラ等のお薬によるフィラリア予防をしなほうがいいのでしょうか?
結論はフィラリア予防は絶対にすべき!です。
フィラリア予防が浸透していない20年ほど前は昔は多くの犬さんがこのフィラリア症で命を落としていました。
しかし、フィラリアは予防薬を適切な期間飲ませることでほぼ100%予防することができます。
予防法が広まったおかげか、今ではフィラリアで体調を崩してしまう犬さんはほとんど見なくなっています。
それでも年に1回くらいは遭遇してしまいますが、、、
特に神経症状のリスクのない場合は、副作用のデメリットよりも予防することで得られるメリットのほうが大きいので、フィラリア予防は絶対にしたほうがいいですよ!
【まとめ】副作用をしっかり知って、安全にフィラリア予防を行おう!
今回の記事では次の点について解説しました。
今回の記事で解説したこと
ネクスガードスペクトラの副作用は
- 食欲不振、おう吐、下痢、かゆみ、元気消失などの軽い症状 →ある程度経過観察OK、悪化するなら病院へ
- 神経症状(けいれん、運動失調、ふるえ)、アナフィラキシーショック(元気消失、呼吸促迫)などの症状→今すぐ病院へ駆け込みましょう
- 一度副作用が起きてしまった場合は、ネクスガードスペクトラを継続するか、別のお薬に変更するか病院と相談しましょう
しっかり学んで正しいペットライフを過ごしましょう!
ネクスガードスペクトラの効果や飲ませ方、飲み合わせについてはこちらのページでもまとめてあります。こちらも是非参考にしてください。
参考文献
- ネクスガードスペクトラ添付文書、ベーリンガーインゲルハイムアニマルヘルスジャパン株式会社
- 大草潔、他.犬と猫の治療薬ガイド2023.EDUWARDPress.2022
- Mark G. Papich, Papich Handbook of Veterinary Drugs 5th Edition.Elsevier.2020 https://www.elsevier.com/books/papich-handbook-of-veterinary-drugs/papich/978-0-323-70957-6