病院でネクスガードっていうお薬を処方されたけれども、
- ネクスガードの効果は?
- 副作用は何があるの?
- 飲ませるタイミングはいつ?
- 飲ませ忘れてしまったらどうする!?
そんな疑問に現役の救急獣医師がわかりやすくお答えします!
ネクスガードってなんのお薬? 概要説明
ネクスガードは犬さんの寄生虫の予防に使われるおくすりで、ノミやマダニに対して効果があります。
アフォキソラネルという有効成分が犬さんに影響を与えず、虫に対してのみ効果を発揮し、ノミならば6時間以内、マダニならば12時間以内に駆除する効果が確かめられています。
ネクスガードの飲ませ方
指定されたサイズのおくすりを1ヶ月に1粒飲ませてください。
食前食後等は関係ないので、いつあげても大丈夫ですよ。
ネクスガードを飲ませ忘れたとき
ネクスガードを飲ませ忘れてしまった場合、思い出したその日にあげてください。
その後、来月以降はいつも通りの投薬予定日に飲ませて大丈夫です。
また、忘れてしまったときでも2倍の量を飲ませるのはNG!副作用が強く出てしまう可能性があるので、いつもと同じ量を飲ませるようにしましょう。
副作用、気をつけるべきこと
ネクスガードは動物用医薬品で、犬さんに対して安全性が確認されているお薬です。
それもでも副作用や飲むときに気をつけるべきことがありますので、一度確認しておきましょう。
ネクスガードの副作用
ネクスガードは次の副作用が報告されています。
ネクスガードの副作用
- おう吐、下痢、食欲不振
- 元気の消失
- 皮膚のかゆみ
- 神経症状
症状:けいれん、運動失調、ふるえ
フィラリアにすでに感染していた犬に投与した場合
- アナフィラキシーショック、元気消失、呼吸促迫、血尿、咳
これらの症状が見られたら獣医師に相談しましょう。
特に、フィラリアにすでに感染している犬さんに投薬した場合は、体の中で大量のフィラリアが一気に死んでしまい、アナフィラキシーショックなどの重い症状が出る可能性があります。
薬を飲ませた後に、急にぐったりして動けない、呼吸がおかしい、血尿がひどいなどの症状があればすぐに獣医師に相談しましょう。
飲ませるときに注意が必要な場合
以下に当てはまる犬さんへの投薬は注意が必要です。投薬する前に獣医師としっかり相談をしましょう。
注意が必要な場合
- フィラリアに感染しているとき
- 妊娠、授乳中のとき
- 体重が1.8kg未満のとき
- 生後8週齢未満のとき
- てんかん発作の病気をもっているとき
- コリー犬系統 (コリー、ボーダーコリー、シェルティ等) のとき
- 大豆にアレルギーを持っているとき
- フィラリアに感染しているとき
体の中にいる大量のフィラリアが一気に死ぬことにより、アナフィラキシーショックなどの症状を引き起こす可能性があります。
フィラリアの薬の購入前には必ず動物病院で感染していないことを確認しましょう。
- 妊娠、授乳中のとき
- 体重が1.8kg未満のとき
- 生後8週齢未満のとき
安全性が確認されていないため、使用してはいけません。
- てんかん発作の病気をもっているとき
神経症状などが現れる可能性があるので、投与するときは十分注意しましょう。
- コリー犬系統 (コリー、ボーダーコリー、シェルティ等) のとき
神経症状が現れる可能性があります。用法、用量を厳密に守りましょう。
また、投与した後はふらつきや発作などの神経症状が出ないかしっかり観察ましょう。
- 大豆にアレルギーを持っているとき
成分に大豆が含まれているため、アレルギー症状が出る可能性があります。この場合は別のフィラリアのお薬を飲むようにしましょう。
飲み合わせの悪いお薬
ネクスガードとの併用に注意が必要な薬は報告されていません。
他のお薬を飲んでいても使って大丈夫です。
ネクスガードの効果、医薬品としての承認
犬さんの効果
ネクスガードは犬さんの動物用医薬品として次の効果に承認が取られています。
犬さんでの承認
- ノミ、マダニの駆除
ネクスガードの作用機序
ネクスガードにはアフォキソラネルという有効成分が含まれています。
アフォキソラネルは犬や人等の動物は持っていないけれども寄生虫だけが持っているGABA受容体というタンパク質に働き、寄生虫の神経活動を阻害させることで死に至らしめる効果を持っています。
まとめ
以上、ネクスガードに対する説明でした。
フィラリアも一緒に駆除できるネクスガードスペクトラが処方されることが多いですが、フィラリアのいない時期はこのネクスガードだけ使っているというオーナー様もいらっしゃると思います。
お薬についてしっかり理解して安心安全に使うことができるようにしましょう!
- ネクスガードはノミやマダニの駆除のお薬
- 安全性は確認されているが、食欲不振などの症状が出ることがある。
- ごくまれに神経症状が稀に出ることがある
まとめ
皆様の参考になれば幸いです。
- この記事は動物病院で薬を処方された飼い主様に、その薬について知ってもらうための記事です。特定の商品の使用を推奨する意図はありません。
- 飼い主様の自己判断での通販などによる薬の入手および投薬、並びに投薬の中断は一切推奨いたしません。獣医師の処方、指示に従って利用するようにしましょう。
- 適応外使用については個々の症例に合わせて、獣医師の判断のもとで使用されています。予想される効果や副作用について獣医師としっかり相談してから利用するといいと思われます。
- 薬の使用方法について獣医師一人一人考え方は違います。獣医師がここに書いてない薬の使い方をしても、それが間違っているというわけではありません。疑問に思ったらかかりつけの先生に質問してみましょう。
参考文献
- ネクスガード添付文書、ベーリンガーインゲルハイムアニマルヘルスジャパン株式会社
- 大草潔、他.犬と猫の治療薬ガイド2023.EDUWARDPress.2022
各2023年2月20日取得