病院でインターベリーαっていうお薬を処方されたけれども、
- インターベリーαの効果は?
- 副作用は何があるの?
- 使うタイミングはいつ?
そんな疑問に現役の獣医師がわかりやすくお答えします!
インターベリーαの概要
インターベリーαは犬さんと猫さんの歯肉炎の症状の緩和に使われるお薬です。
インターベリーαにはインターフェロンαという成分が含まれています。
インターフェロンαは口腔内の免疫の活性化させる効果や抗菌、抗炎症効果を持っています。
それにより口の中の歯周病の病原菌および炎症を減少させ、歯肉炎の症状を緩和させる効果を持つお薬です。
インターベリーαを使うタイミング、使い方
専用のスプーン1杯分、もしくは獣医師が指示した量を3〜4日に1回、合計10回犬さんの歯肉に塗ってください。
インターベリーは歯肉に塗るおくすりです!飲ませても効果はありません!
大体週2回、合計5週間つかうイメージですね。
具体的な使い方は次のとおりです。
インターベリーαの使い方
- 1回分を小皿にだす。
- 指先に水を少しつけて、その水でインターベリーの粉をよく混ぜ、ペースト状にする。
- ペーストを指につけ、それを直接歯茎に優しくマッサージするように塗り込む。
- 出血がある場所や、痛がる場所は避けてぬるようにしましょう。
効果を長持ちさせるために投与後は30分は水や食事を与えないようにしましょう。
また、使う前に歯磨きをするとより効果が期待できますよ!
とても嫌がる子や猫さんに使うときは、溶かした液を口の中にたらすだけでも大丈夫ですよ!
ただしそのときは、飲ませるよりも、口角の端の歯ぐきを狙うイメージでたらしましょう!
基本的には動物病院で一回ずつ分けて処方されますが、たまに一袋まとめて処方されることがあります。
製品1袋は10回分がまとめられているので一度にすべて使わないようにしましょう。
インターベリーαを使い忘れたとき
インターベリーαを使い忘れてしまった場合、そのタイミングから使用を再開してください。
インターベリーαの副作用、飲むときに気をつけるべきこと
インターベリーαの副作用
インターベリーαの副作用はほとんどありませんが、次のものが報告されています。
これらの症状が現れたら獣医師に相談してください。
インターベリーの副作用
- 口腔粘膜の赤み、ただれ
- 嘔吐、下痢
- 顔の腫れ、アレルギー症状 (参考文献2)
お腹が弱い場合、嘔吐や下痢などの消化器症状が見られることがあります。
また、歯肉に塗り込む際の刺激で口腔内の粘膜が荒れてしまう可能性もあります。
飲ませるときに注意が必要な場合
以下に当てはまる犬さん猫さんへの投薬は注意が必要です。
投薬する前に獣医師としっかり相談をしましょう。
注意が必要な時
- 6ヶ月未満のとき
- イチゴなどのバラ科植物にアレルギーがあるとき
- 重度歯肉炎のとき
6ヶ月未満のとき
効果や安全性は確認されていません。
イチゴなどのバラ科植物にアレルギーがあるとき
アレルギー症状がでてしまう可能性があります。
重度歯肉炎のとき
この場合の効果は確認されていません。スケーリングなどの病院での処置が優先されます。
併用
併用に注意が必要な薬は報告されていません。
インターベリーαの効果、医薬品としての承認
犬さんに対する効果
インターベリーαは犬さんの動物用医薬品として次の効果に承認が取られています。
犬さんに対する効果
歯肉炎の症状の軽減(ただし、歯周炎病変が疑われるような重度歯肉炎は対象外)
歯肉炎の症状の緩和について承認がとられています。ただし、歯周炎 (歯肉炎がさらに進行して、歯の骨などが溶けてしまっている状態) では効果は確認されておらず、スケーリング等の外科処置が優先されます。
猫さんに対する効果
猫さんに対する効果
歯肉炎の症状の軽減(ただし、歯周炎病変が疑われるような重度歯肉炎は対象外)
インターベリーは2023年の3月に猫さんに対しても動物用医薬品として承認が得られました。
インターベリーαの作用機序
作用機序
インターフェロンαという物質が、口腔内で、免疫賦活、抗菌、抗炎症効果を発揮します。それにより口の中の歯周病の病原菌および炎症を減少させ、歯肉炎の症状を緩和します。
まとめ
以上、インターベリーαに対する説明でした。
まとめ
- インターベリーαは歯肉炎の症状の緩和に使われる
- 進行が進んでしまった歯周病にはこれだけで対処するのは難しい
- 副作用はそこまで多くない
皆様の参考になれば幸いです。
参考文献
- インターベリーα®錠添付文書、住友ファーマアニマルヘルス株式会社、https://www.ds-vet.jp/product/interberry/index.html
- 動物用医薬品等データベース、http://www.vm.nval.go.jp/
- 荒井延明、西川亜樹子、インターベリーα®と fimA TESTの臨床応用例、https://www.ds-vet.jp/product/interberry/index.html
各2023年1月12日取得