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【獣医解説】ウルソの効果や副作用をわかりやすく解説!

2023年2月17日 なんたべ

病院でウルソっていうお薬を処方されたけれども、

  • ウルソの効果は?
  • 飲ませるタイミングはいつ?
  • 飲ませ忘れてしまったらどうする?
  • 副作用は何があるの?
獣医なんたべ

そんな疑問に現役の救急獣医師がわかりやすくお答えします!

このページで解説するお薬は次の名前で呼ばれることもありますが、どれも同じお薬を表しています。

解説するお薬の一覧

  • ウルソデオキシコール酸

この記事を読むことでより安心して、安全にウルソを使うことができるようになります!

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ウルソってなんのお薬? 概要説明

ウルソは犬さんや猫さんの肝臓や胆のうの機能改善を目的として処方されるお薬です。

ウルソにはウルソデオキシコール酸という成分が含まれています。

このウルソデオキシコール酸が、肝臓や胆のうに働き、胆汁という消化液の流れをよくすることで、胆石を溶かしたり、溜まってしまった胆汁を流す効果があります。

他にも、肝臓の保護作用や解毒作用も持っており、有害物質から肝臓を保護したり、肝臓に対する薬の副作用の予防にも使われます。

ウルソは注射と飲み薬がありますが、注射薬のみが動物用医薬品として犬さんに承認が取られています。

飲み薬は動物用の製品が販売されていないため、人用のお薬を獣医師の判断で使う、いわゆる「適用外使用」がされているお薬です。

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ウルソの飲ませ方、タイミング

指定された量を1日1回~2回のませてください

飲ませるタイミングはいつでも大丈夫です。

お薬の効果から食事と一緒に飲ませることを推奨されることもあります。

人では飲むタイミングはいつでもいいと言われています。(参考文献3)

食事と一緒に飲ませてもいいですが、基本的にいつ飲ませても問題ないと私は考えます。

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ウルソを飲ませ忘れたとき

ウルソを飲ませ忘れてしまった場合、数時間後に気づいたならばその時にそのまま飲ませて大丈夫です。

しかし、次回の投薬が近いときには1回飛ばして次回のタイミングに飲ませてください。

忘れてしまったときでも2倍の量を飲ませるのはNG!

副作用が強く出てしまう可能性があるので、いつもと同じ量を飲ませるようにしましょう。

ウルソの副作用、飲むときに気をつけるべきこと

ウルソは基本的に副作用が少なく、ほとんどありません。

それでも飲む上で気をつけるべきことがいくつかありますので、これらの症状が出てこないか注意して使用しましょう。

ウルソの副作用

ウルソの副作用として、次のものが起こる可能性があります。

ウルソの副作用

  • 下痢

ウルソは重い副作用が少なく、安全性が高いお薬です。

しかし、たまに下痢を起こすことが報告されています。

多少の軟便なら問題ないですが、あまりにもひどい下痢が見られた場合は獣医師に相談しましょう。

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飲ませるときに注意が必要な場合

以下に当てはまる犬さんの投薬は注意が必要です。投薬する前に獣医師としっかり相談をしましょう。

注意が必要な場合

  • 胆管の閉塞がある時

胆管の閉塞がある時

胆管 (胆汁の通り道) が詰まり、胆汁がうっ滞しているときにウルソを使用することは基本的に推奨されません。

出口がふさがった状態でウルソによって胆汁の量を増やすことで、胆汁のうっ滞による症状が悪化すると考えられているからです。

胆管が閉塞してしまう病気は、腫瘍や胆石症、胆管炎や重度の膵炎などが挙げられます。

基本的に獣医師が検査によって胆管が詰まっていないことを確認してから処方していますが、これらの病気と診断された犬さんや猫さんは注意しましょう。

飲み合わせ

動物において飲み合わせの悪いお薬はまだ報告されていませんが、

人ではいくつかのお薬の飲み合わせについて効果が減弱する可能性が指摘されているので、これらのお薬との併用は注意したほうがいいと思われます。

併用注意の薬

  • 高脂血症治療薬
    フェノフィブラート
  • アルミニウム系胃粘膜保護剤
    スクラルファート、水酸化アルミニウムゲル

これらのお薬と併用すると、効果が減弱してしまう可能性があります。

ウルソの作用機序

ウルソの主成分であるウルソデオキシコール酸は肝臓において胆汁の分泌を促進し、胆汁のうっ滞を改善します。

ウルソ自身が胆汁の成分として、肝臓に有害な胆汁酸 (疎水性胆汁酸) を害の少ない胆汁酸 (親水性胆汁酸) に置き換わることで、肝臓に対する障害も軽減します。

さらに、ウルソは肝臓で起きている炎症を抑制したり、血流を増加させる効果もあります。

これらの効果が複合的に組み合わさり、肝臓の機能を改善します。

まとめ

以上、ウルソに対する説明でした。

ウルソは、利胆薬として肝臓の機能を改善させるために使われています。

人のお薬ですが、副作用も特に多くなく、獣医学領域でもよく使われているお薬です。

    まとめ

    • ウルソは肝臓のお薬で、胆汁の流れを良くしたり、や有害物質の代謝促進などに使われる
    • 1日1回~2回、獣医師に指定された回数飲ませる
    • 副作用は、下痢に注意

皆様の参考になれば幸いです。

注意事項

  • この記事は動物病院で薬を処方された飼い主様に、その薬について知ってもらうための記事です。特定の商品の使用を推奨する意図はありません。
  • 飼い主様の自己判断での通販などによる薬の入手および投薬、並びに投薬の中断は一切推奨いたしません。獣医師の処方、指示に従って利用するようにしましょう。
  • 適応外使用については個々の症例に合わせて、獣医師の判断のもとで使用されています。予想される効果や副作用について獣医師としっかり相談してから利用するといいと思われます。
  • 薬の使用方法について獣医師一人一人考え方は違います。獣医師がここに書いてない薬の使い方をしてもそれが間違っているというわけではありません。疑問に思ったらかかりつけの先生に質問してみましょう。

参考文献

  1. ウルソH注射液添付文書、住友ファーマアニマルヘルス株式会社
  2. 大草潔、他.犬と猫の治療薬ガイド2023.EDUWARDPress.2022
  3. 田辺三菱製薬HP.https://medical.mt-pharma.co.jp/di/qa/urs/1483/.2023年2月17日取得

各2023年2月17日取得

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