病院でティアローズっていう点眼薬を処方されたけれども、
- ティアローズってなんのお薬?
- 使うタイミングや忘れてしまったときの対処法は?
- 副作用は何があるの?
- 同時に使ってはいけない薬は何があるの?
そんな疑問に現役の救急獣医師がわかりやすくお答えします!
お薬は次の名前で呼ばれることもありますが、どれも同じお薬を表しています。
解説するお薬の一覧
- ティアローズ
- プラノプロフェン点眼液
- ニフラン点眼液
- プロラノン点眼液
この記事を読むことで、
より安心して、安全にお薬を使うことができるようになりますよ!
ここだけ見れば大丈夫!ティアローズまとめ
成分名 | プラノプロフェン |
商品名 | ティアローズ |
特徴、はたらき | 目の充血や腫れなどの炎症を抑えるお薬です。 |
使う動物 | 犬 (猫) 動物用医薬品としての承認は犬のみに取られていますが、猫にも適用外使用がされることがあります。 |
副作用 | 目の表面(角膜)に傷ができてしまう可能性があります。 |
注意事項 | 漫然とした長期利用はしないようにしましょう。 |
ここから先はティアローズについて更に詳しく説明していきます。
しっかりと学んでいきましょう!
ティアローズの効果と特徴
ティアローズは抗炎症薬として、目の腫れや充血、痛みを抑制するために使用されます。
プラノプロフェンという有効成分が、炎症を引き起こすプロスタグランジンという生体内物質の産生を抑えます。
いわゆるNSAIDsに分類されるお薬で、飲み薬でいうオンシオールやメタカムと同じ分類のお薬です。
ティアローズは動物用医薬品としては、犬さんにのみ承認が取られているお薬です。
ただし、適用外使用として猫さんに使用されることもしばしばあります。
適用外使用をするときは獣医師の話をしっかりと聞きましょう。
ティアローズの使い方、使い忘れたとき
1日2回~4回、獣医師に指定された回数を点眼してください。
一度に1~2滴を目の中に垂らしてください。
点眼することを忘れていた場合は、思い出したタイミングで使用して大丈夫です。
副作用、気をつける症状
ティアローズを使用する際には副作用として次の症状が出る可能性があります。
これらの症状が現れた場合は、速やかに獣医師に相談するようにしましょう。
ティアローズの副作用
- 目への刺激 (充血の悪化のしょぼつき)
- 角膜炎、角膜潰瘍(充血の悪化、目のしょぼつき)
涙の量が減少してしまう、ドライアイになってしまうリスクも指摘されています。
特に、白内障が進行した症例に使うときは長期的に使う必要が出てきます。
使用する際は、目の状態をしっかりと観察しましょう。
まとめ
以上、ティアローズに対する説明でした。
ティアローズは炎症止めの目薬として、充血や腫れを引かせるために用います。
副作用としては角膜の表面に傷ができやすくなってしまう事が挙げられます。
使用する際にはしっかりと目の状態を観察しましょう。
皆様の参考になれば幸いです。
- この記事は動物病院で薬を処方された飼い主様に、その薬について知ってもらうための記事です。特定の商品の使用を推奨する意図はありません。
- 飼い主様の自己判断での通販などによる薬の入手および投薬、並びに投薬の中断は一切推奨いたしません。獣医師の処方、指示に従って利用するようにしましょう。
- 適応外使用については個々の症例に合わせて、獣医師の判断のもとで使用されています。予想される効果や副作用について獣医師としっかり相談してから利用するといいと思われます。
- 薬の使用方法について獣医師一人一人考え方は違います。獣医師がここに書いてない薬の使い方をしても、それが間違っているというわけではありません。疑問に思ったらかかりつけの先生に質問してみましょう。
参考文献
- ティアローズ添付文書、物産アニマルヘルス株式会社
- 動物用医薬品等データベース、https://www.vm.nval.go.jp/
- Mark G. Papich, Papich Handbook of Veterinary Drugs 5th Edition.Elsevier.2020 https://www.elsevier.com/books/papich-handbook-of-veterinary-drugs/papich/978-0-323-70957-6
各2023年7月12日取得