今日も愛犬と一緒に楽しいお散歩中、、、
匂い嗅ぎフンフン
地面ホリホリ、、、ゴソゴソゴソ、、
よく見ると土を食べている!!!
なんて場面に遭遇してしまったら
- 動物病院に連れて行くべき?
- 土を食べても大丈夫なの?
- 土を食べる原因は?
- 土を食べさせなくするには?
色々疑問が湧いてくると思います。
そんな疑問に現役の救急獣医師がわかりやすくお答えします!
犬が土を食べてしまった!どうすればいい!?
犬さんが土を食べてしまった場合、以下に当てはまる場合は経過観察をしても大丈夫です。
- 土に農薬などの薬品がついていない
- 土に異物が混じっていない
- 少量だけ食べた
経過観察をしてもいい場合
しかし次に当てはまる場合は体調を崩してしまう可能性があります。
病院に連れて行くべき場合
- 農薬などが撒かれている可能性がある
- 石や金属などの異物が混じっている可能性がある
- 大量に食べてしまった
なるべく早く動物病院を受診するようにしましょう。
土を食べることが危険な理由
先程も言いましたが、汚染されていない土を少し食べただけならば大きな問題になることは少ないです。
けれども犬さんが土を食べるということは実はとても危険。
場合によっては手術やが必要になったり、命を落としてしまうことも、、、
先日勤務している病院に土を食べたことが原因で命を落としてしまった犬さんが来ました。
その時は土に付いていた殺虫剤が原因でした。
その理由は、次の可能性があるからです。
- 有毒物質が付いている可能性
- 腸に詰まってしまう可能性
- 異物が混じっている可能性
- 寄生虫や細菌などがいる可能性
犬さんが土を食べてしまうことは、やめさせたほうがいい問題行動の一つなのです。
有毒物質が付いている可能性
土には殺虫剤や農薬、ナメクジよけの薬など、犬さんに影響を及ぼす有毒物質が付着している可能性があります。
これらの物質を接種してしまうと中毒症状を起こしてしまい、最悪命を落としてしまうリスクがあります。
腸に詰まってしまう可能性
少量の土ならば便として排出されますが、大量に食べてしまったり、大きなサイズの石などを一緒に飲んでしまうと腸に詰まってしまう可能性もあります。
詰まってしまった場合は開腹手術が必要になります。
異物が混じっている可能性
土だけならばまだいいですが、その土の中に
- ボタン電池
- とがっている金属
- ガラス片
などが混じっている可能性もあります。
その場合は胃や腸を傷つけてしまい、場合によっては胃や腸に穴が空いてしまうこともあります。
寄生虫、感染の可能性
他の動物の排泄物に汚染された土の中には寄生虫の卵や細菌が潜んでいることも。
それを食べてしまった場合には命に関わる重い感染症になる可能性もあります。
犬が土をたべてしまう原因
それではなぜ犬さんが土を食べてしまうのでしょうか。
その原因は主に次のものがありますので、順番に解説していきます。
- 土からいい匂いがした
- ストレス、不安感情
- 飼い主の気を引きたい
- ホルモンや神経系などの体の病気
- 栄養状態が悪い
1土からいい匂いがした
犬さんはもともと食べきれなかった食べ物を地面に埋める本能があります。
地面からいい匂いがすると
「ここに食べ物があるかも!?」
と土を食べてしまうことがあります。
バーベキュー場とかだと匂いが染み付いていてそれを食べるなんてことも
2ストレス、不安感情
ストレス反応の結果として土を食べるなどの症状が出ることもあります。
環境の変化があったときや、犬さんの体の変化に気持ちが追いついていないときに症状が現れます。
また、若い犬さんの場合は遊びが足りずにエネルギーが溜まっている場合は自分で新しい遊びを見つけ出してしまいます。
それが「土をたべる」という遊びにつながることも。
他にも、留守番しているときなどの不安感からなにか特定の者を食べてしまうことももあります。
不安感が原因のときは植木鉢の中などの隠れているものを探してまで食べるほど執着してしまうこともあります。
環境の変化があった直後や留守番中に多いときはこの原因が多いです
3飼い主の気を引きたい
犬さんは飼い主さんのことが大好き。
なので飼い主さんの気を引くために食べることも。
土を食べた瞬間に飼い主さんが「あー!!!」などと大きな声をあげると、
ご主人がこっちを見てくれている!!喜んでいるじゃないかな??
と思ってしまい、より土を食べる行動が強く出ることもあります。
これらの症状の根本には犬さんの不安感があることもあります
4ホルモンや神経などの体の病気
ホルモン関係や神経系の病気があると、行動に変化が出て土を食べるなどの行動につながることがあります。
- 最近行動が全体的に変わってきた
- 食事や水を飲む量が増えた
こういった事がある場合はホルモンや神経系の病気が根底に隠れているかもしれません。
5栄養状態が悪い
土を食べてしまうことの原因として栄養の不足が原因のこともあります。
カロリーだけでなく、ミネラルなどの微量栄養素の不足で起こることも。
基本的には総合栄養食と呼ばれる食事を食べている場合は大きな問題になることは少ないです。
基本的なご飯用のドッグフードは「総合栄養食」に該当します。
おやつ用だと「一般食」と名前がついてます。
それぞれパッケージにかいてありますよ。
ただし基礎疾患があると、そのせいで栄養状態に変化が起きている可能性もあります。
一度食べている食事内容をまとめて獣医師に相談してみましょう。
自己判断でのサプリメントなどの追加はおすすめしません。
栄養を追加しすぎると逆に体調を崩してしまう可能性があります。
寄生虫感染
寄生虫に感染してしまうと、食べたものの栄養を寄生虫に取られてしまい、
結果的に栄養不足になってしまう可能性があります。
消化器疾患
消化液の分泌不足などによって栄養が吸収されずに栄養不足になることもあります。
- 軟便になってきた
- うんちの量がとても増えた
- うんちが脂っぽい
これらの症状がある場合は栄養の吸収に問題があるかもしれません。
土をたべないようにさせる対策
土を食べることの危険性や原因について説明してきました。
それでは土を実際に食べさせないようにするためにはどうすればいいのでしょうか。
ここからは犬さんに土を食べさせないようにするための対策について解説していきます。
- 病院で検査をする
- 土があるところに連れて行かない
- 環境を改善する
- 大きな反応をしすぎない
- 普段からトレーニングをする
土を食べさせなくする方法
病院で検査をする。
土を食べてしまう原因として病気が原因の事がありました。
- 栄養状態が悪い
- 寄生虫感染
- 消化管やホルモン、神経系の病気
これらの場合は病気の治療をすることで改善することがあります。
体の病気がないかどうか、病院で一度診察を受けましょう。
土をたべるということが発端で病気が見つかる可能性もあります。
他にも不安などの気持ちがが原因の場合にも、行動療法やお薬を使った治療法なども提案することができます。
食べるところには連れて行かない
土を食べさせないようにするためには、土を食べられない環境にすることが一番の基本です。
- 土がある所をお散歩コースから外す
- 家の中に植木鉢などを置かない
など、物理的に食べられないようにしましょう。
また、お散歩中にどうしても通ってしまうときは
- リードを長くしすぎない
- 進行方向に気を配り、土の近くに来たら飼い主の方に注目させる
などに気をつけて、土に近づけないようにすることも大切です。
環境の改善
犬さんがストレスを感じなくなるような環境にすることも大切です。
若い犬さんならば十分なエネルギー発散をできるようにたくさん遊んであげること。
高齢ならば動きづらい体に合わせた環境を作ってあげたり、病院で体の痛みの管理をしてあげることも有効です。
年齢や性格に合わせた犬さんにとって快適な環境を作りましょう。
大きな反応をしすぎない
土を食べたときに飼い主様のリアクションがあると、行動がより強化されてしまうため、大きな反応をしないことが大切です。
駄目なことをしているときは無視をすることで「これはよくないこと」と学習します。
逆に、普段おもちゃで遊んでいるときにたくさん褒めることも大切です
ある程度汚染の心配がない場合は、土を食べていても関心のないフリをすることで、
ご主人にかまってもらえなくなる、、、
と思い、行動を減らすことも。
汚染の心配があるときはそんな事してられないので、
基本的にはその場所に連れて行かないことが第一ですね
トレーニング
普段から誤食を避けられるようなトレーニングをしておきましょう。
具体的な内容としては
- 動作を止めて飼い主に注目するトレーニング
- 噛んでいるものを離してこっちに持ってくるトレーニング
などをおやつを使ってトレーニングをしていくといいでしょう。
まとめ
犬さんが土を食べることは健康被害が出る可能性があるので、できるだけやめさせたほうがいいでしょう。
そのためには環境づくりや普段からなにか良くないことをしたときにそれを中断させるようなトレーニングが大事になってきます。
また、体の病気が隠れている可能性があるので動物病院で一度詳しく見てもらってもいいでしょう。
この記事によりよりよい犬さんとの生活が遅れるようになることを期待します。
参考文献
- プライマリ・ケアのための診療指針 -犬と猫の内科学-、学窓社、https://www.gakusosha.com/html/page19.htm
- 犬の内科診療Part2、緑書房、https://www.midorishobo.co.jp/SHOP/4151.html