愛犬が突然下痢をしてしまった!
そんなときに食事ってどうすればいいの?いつもどおりあげてもいいの?
体調が悪い時、犬さんにどう食事をあげればいいのか分からくて不安になるときありますよね。
そんな不安を現役の救急獣医師がわかりやすく解消します!!
結論から言うと、下痢のときは「なるべく胃腸の負担にならない食事を少しずつあげる」が原則です!
ということでこの記事では以下の4つについて解説します。
この記事でわかること
- 愛犬が下痢をしたときの食事療法の大切さ
- 下痢のときは食事をどう与えるか
- 下痢をしている犬にオススメのフード、手作りごはん
- 病院に行くべきタイミング
記事を最後まで読むと、愛犬が下痢をしてしまったときも焦らずに安心して対処できるようになりますよ!
それでは本題にいきましょう!
愛犬が下痢をしたときの食事管理
犬さんが下痢をしているとき、治療法といえば主にお薬による治療をイメージする人も多いと思います。
しかし実際は、食事管理が治療の主体で、お薬は補助的な治療法なことがほとんど。
多くの症例は適切な食事管理とと対症療法を行うことで2-3日以内に改善することが期待できます。
それではどのような下痢の犬さんにはどのような食事にすればいいのでしょうか。
食事の量を減らす
犬さんが下痢をしてしまったら、2-3日は食事の量を減らしましょう。
量を減らすことで、弱ってしまった胃腸への負担を和らげてくれます。
具体的には、食事の量を普段食べている(本来食べる量の)3分の1くらいまで減らします。
その後、3日くらいかけて少しずつ量を増やして、本来食べる量まで増やしてあげましょう。
詳しい食事のレシピやオススメ療法食はページ下部に詳しく説明してありますので、そちらもぜひ参照してください。
また、食事は一度にたくさん上げるより、少量ずつ頻回に分けてあげるようにしましょう。
水分摂取はしっかりと行う
下痢をしているときは水分摂取はいつも以上にしっかりと行うようにしましょう。
下痢をしていると、便から体の水分がなくなっていきます。
また、食事の量も減らすと、食事からとる水の量も減ってしまいます。
これらの結果、下痢をしている犬さんは脱水症状を起こすリスクが上がります。
こまめに水分を取ってもらうことを意識して、脱水をさせないようにしましょう。
脂肪分を減らして、消化を良くする
食事に含まれる脂肪を減らすことや、脂肪の少ない食事を選ぶことも下痢をしている消化管を休めるために大切です。
脂肪分は消化吸収するために、腸に多くの負担をかけると考えられています。
脂肪分が少なく、良質な炭水化物とタンパク質が多く含まれる食事にすることで胃腸への負担を和らげることができます。
ご飯をふやかす or ウェットフードにする
下痢をしている間はご飯をふやかすことや、ウェットフードにすることも有効です。
食事に適度に水分を含ませることで、
- 胃腸が消化吸収しやすくなる
- 失われた水分を補給することができる
といったメリットを得ることができます。
ドライフードをふやかすときは、次の手順で行うとしっかりとふやかせますよ!
- ドライフードに、2倍の量のお湯を加える
- お湯の温度は50度くらい
- そのまま15分くらい放置
- 室温程度まで温度が冷めたらOK
スプーンでフードを潰してマッシュ状にしてもOK!
おやつはあげない
おやつや人が食べているものを分け与えるのはやめましょう。
おやつや人間の食事は、犬さんの消化管に負担がかかるものが多くあります。
せっかく消化に良いものを食べていてもおやつで腸に負担をかけてしまっては台無しです。
下痢をしている間は食事はなるべくシンプルにしてあげて、余分なものはあげないようにしましょう。
おやつを使ったコミュニケーションは体が元気になってから!
下痢の犬にオススメの食事
じゃあ具体的にどのような食事をあげればいいのでしょうか。
ここからは
- 下痢をしているときにオススメのドッグフード
- 下痢をしているときの手作りごはんのレシピ
の2つについて解説します。
下痢をしているときにオススメのドッグフード
下痢をしてしまっている犬さんに
オンラインで気軽に購入できるオススメのフードは、和漢みらいが出している
です。
こちらのフードは
- 高消化性タンパク質を使用している
- 含まれている脂肪分が少ない
- お湯でふやかしやすい
- 乳酸菌が1袋に1000億個含まれている
といった、特徴を有しており、お腹が弱い犬さんにぜひともあげたいドッグフードです!
注意ポイント
ロイヤルカナンの「消化器サポート」やHills社「i/d」といった「療法食」は、獣医師の診察の元で処方される専用食です。
安易な使用により、逆に体調を崩してしまうリスクがあるので、オンラインでの購入はおすすめしません。
消化器サポートやi/dもいい食事ですが、使用の前には獣医師の診断を受けましょう。
手作り食ならささみとごはんを1:1で混ぜる
下痢をしているときは、消化に優しい食事を手作りしてあげるのもオススメ!
作り方は、鶏ささみと、柔らかめに炊いたご飯を1:1の割合で混ぜるだけでOK!
あげる量は、体重5kgの犬さんで、鶏ささみと炊いたご飯をそれぞれ100gずつ、合計200gを1日にあげることが目安です。
下痢をしたばかりの頃は、先ほど説明したようにこの3分の1の量を1日4階に分けてあげることから始めましょう。
ただし、体調が治ったらいつものドッグフードに戻しましょう。
ごはんとささみだけを長期的に食べ続けると、ビタミンやミネラルなどの栄養素が不足してしまう可能性があります。
この手作り食はあくまで下痢をしている、もしくは下痢が治った直後のときの食事です。
治りが悪いなら病院で検査すべき
ここまで、犬さんが下痢をしたときの食事療法について話してきました。
食事療法に気をつけてみても
すぐに動物病院に連れてくるとき
- 3日経っても下痢が治らない
- 嘔吐が続いている
- どんどん元気がなくなる
- 食事も水も全く手を付けない
こんな場合があるかもしれません。
これらの場合はすぐに病院で診察を受けるようにしましょう。
背景に重い病気が隠れていて、重症化してしまう可能性があります。
病院には便を持っていこう!
下痢などの消化器症状で病院に行くときは、愛犬だけでなくうんちも一緒に持っていきましょう。
うんちを詳しく調べることで、
- 感染症になっていないか
- 食事の消化はうまくできているか
- 腸内細菌バランスはみだれていないか
などを検査することで、より適切な治療を提示することができます。
とくにうんちを持ってくるときは、
- 取ったばかりで新鮮なもの
- 砂や落ち葉などの不純物が混じっていない
といった状態で持ってきてもらえると診察をする上でとても助かります。
うんちを外でしたときに、下痢で広がってしまって回収できない!
そんな場合にこちらの商品を使うと地面落ちる前にうんちを回収できるので、下痢便でもきれいな状態で病院まで持ってくることができますよ。
【運キャッチ】
うんちを直接キャッチ & リードにぶら下げてお持ち帰り。
動物病院へ持っていくときにもピッタリ!
【まとめ】愛犬が下痢をしたときは食事療法が大切!
この記事では愛犬が下痢をしてしまったときの食事について解説してきました。
内容をまとめると、次のようになります。
この記事のまとめ
- 下痢の対処の基本は食事療法
- 消化に優しい食事を、少量ずづ与える
- 水分補給も忘れずに行う
- おすすめフードは消化に優しい
- 手作りするなら鶏ささみとごはんを1対1で混ぜる
- 3日で治らない、症状が重くなるなら病院へいくべき
最後まで読んでいただきありがとうございました。
この記事を活かして、愛犬と安心安全な生活を送りましょう!
下痢のときに処方されたお薬もについても要チェック!
参考文献
Encyclopedia of canine clinical nutrition.ROYAL CANIN